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イヤホンガンガン伝言ゲームで騒音性難聴の危険性!!どうして危ないの!?

少し前に巷で流行って最近では、耳鼻科医などが警鐘を鳴らしている「イヤホンガンガン伝言ゲーム」


子供達が真似しそうな遊びなので、このブログでもう少し具体的にこのゲームを続けるとどんな障害が起こりうるのかを、育児中のパパとして、そして言語聴覚士の資格保有者としてまとめようと思います。
 

イヤホンガンガン伝言ゲームは騒音性難聴の危険性

 
このゲームを続けると耳鼻科医などの専門家が禁止を促している通り、難聴になる危険性があります。イヤホンガンガン伝言ゲームの危険性についてまとめてるサイトでは「突発性難聴」と書いてあるツイートを紹介したりしていますが、突発性難聴はまた別の障害です。
 
では、大音量で音楽を聴き続けるとどうなるのかというと、
 
「騒音性難聴」になります。
 

音が聞こえる仕組みと騒音性難聴になる理由

騒音性難聴は、大きな音を聴き続けると事で内耳の蝸牛内にある有毛細胞(ゆうもうさいぼう)が破壊されることによって聴力が落ちます。
 
人は、音を空気の振動として鼓膜を通じ耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)などを介して、内耳の蝸牛(かぎゅう)に振動を伝えます。内耳の蝸牛はリンパ液という液体で満たされており、この液体の振動を有毛細胞が感じ取り、電気信号に変えることで音が聞こえます。
 

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つまり、人が音を聞くにはこの「有毛細胞」が空気の振動を電気信号に変えて伝達する必要がある為、有毛細胞はとっても大事なんですね。
 
そして、大きな音を聞き続けると、この有毛細胞が壊れます。

具体的に騒音性難聴はどのような症状なの?

騒音性難聴の特徴は、初期段階では4000Hz(ヘルツ)付近の高周波領域の聴力が落ちます。(c5dipとも言います)
 
日常会話は500~2,000Hz位の範囲と言われているので、普段は高周波領域の聴力減退に気付きにくく、知らないうちに難聴が進行してしまう可能性があります。
 
こちらが騒音性難聴の特徴的な聴力を示したグラフです。
 

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<騒音性難聴のオージオグラム>

(引用元:http://www.osakah.johas.go.jp/oto/unncssry/snd.html)

 
横軸が 「周波数(音の高さ)」で、縦軸は「音の大きさ」です。
右に行くほど高い音で、下に行くほど大きい音です。
 
この人は「1000Hzの音を、右耳では10dB(デシベル)の大きさで聴き取れた」という事がこのグラフから読み取れます。
 
実線〇は右耳の聴力、破線✖は左耳の聴力を表しており、特に右耳の4000Hzあたりでがくんと下に落ちています。右耳では4,000Hzの音は、30dBの大きさで聴き取れており、5,000Hzの音は60dBまで大きくしないと聴き取れていません。
 
人間の可聴域は(年齢によって違いますが)20Hz〜20,000Hzと言われています。日常会話は前述したとおり500Hz~2,000Hz程度と言われていますので、あまり影響がないのではないかと思う人がいるかもしれません。しかし、難聴が進行し、低周波領域まで聴力の低下が及んで、日常生活に支障をきたしてから音が聞こえにくいことに気づく場合もあり、その時は既に相当難聴が進んでしまっている可能性があります。

騒音性難聴によって聴こえにくくなる4000ヘルツとはどんな音?

では、4000Hzの周波数の音とはどのような音なのでしょうか。
 
健康診断を受けたことがある方は、聴力検査を防音室で行う時に2種類の高さの音を聞かされ、ボタンを押すように命じられると思いますが、聴力検査で聞く高いほうの音が4000Hzです。(低いほうは1000Hz)
 
日常生活で言えば、セミの鳴き声が4,000Hzと言われています。
 
騒音性難聴は最初4000Hz近辺の高周波領域が限定して聞こえなくなっていきますが、有毛細胞が壊れてしまうと、現在では有効な治療法がないため聴力が戻る可能性は低いようです。
 
イヤホンガンガン伝言ゲームが流行っているからといって、安易にやると取り返しのつかない事になります。

どのくらいの音量、期間で騒音性難聴になるのか

騒音性難聴になる音量は、85dB(デシベル)と言われています。
また、短期間での巨大な音(130dB以上)で起きるような難聴を騒音性難聴とは区別して「音響外傷性難聴」と言います。

参考サイト:3M(耳栓の重要性)
 
イヤホンによる近距離/密閉された状態での音量のみならず、85dBを超えるような騒音が絶えず続くような環境で毎日過ごしていると騒音性難聴になる危険性が高まります。

85dBとはどれくらいの音?

 
では、85dBとはどれくらいの音なのでしょうか。
 

 
上記のサイトに詳しく紹介されていますが、「犬の鳴き声(5mの距離)」「カラオケ(店内中央)」で約90dBとのことです。(※距離を記載しているのは、音源からの距離が離れるほど音は小さくなる為)
 
人の通常の会話が60dB、大声が90dB位とも言われているので、イヤホンをつけて周りの声が聞こえないくらいの音というのは、最低でも60dB以上、おそらく85dBにかなり近い音量の音だと思われます。
 
また、余談ですが、騒音性難聴関するたんぱく質が発見され、遺伝的にこのたんぱく質を産生しやすい人とそうでない人とがおり、騒音性難聴へのなりやすさに差が出るのではないかという研究結果が今年(2016年)になって報告されています。
騒音性難聴のなりやすさには個人差があり、単純に「周りの友達は平気だから自分も大丈夫」とは言えないのかもしれません。

まとめ

騒音性難聴の具体的な説明は無くとも、このゲームが危険であることは想像すればわかることと思いますが、ちょっと気になったので学生時代の知識と教科書を引っ張り出して、イヤホンガンガン伝言ゲームの危険性についてまとめてみました。
 
このゲームに限らず普段からイヤホンで音楽を大音量で聴いている人はもちろんですが、騒音レベルの高い場所で働いている人も騒音性難聴の危険がありますので、耳栓をするなどして予防するなどの注意が必要です。
 
この伝言ゲーム自体は楽しそうですし、自分も子どもだったらやって遊んだかもしれないなと思います。すべてもちろん自己責任ですが、もし周囲にこのゲームで遊んでいる人がいれば、背後にあるリスクについては是非伝えてあげてもらえると嬉しいです。
 
<過去記事ではこんなことも書いてます>