絵描きパパの育児実験記ロクLABO

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絵描きパパの育児イラストブログ

子供のクリエイティビティを伸ばすには?!絵描きとして思うこと

教育 教育-アート

2年ちょっと前、六本木ミッドタウンで行われたアートイベントにワークショップ講師として呼んでいただいたことがありました。その時アシスタントとして手伝ってくれたのが今の奥さん。

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そのイベントでは、子供を対象としたキャンドルの絵付けワークショップを担当し、たくさんの子供たちと触れ合うことができた思い出深い経験でした。
 
当時は、自分が子供を持つことも、手伝ってくれた当時友達だった今の奥さんと結婚する事もまだまだ想像していない時でした。
 
ただ、昔から子供は好きで、子供を対象としたワークショップはお声がかかると進んで参加してきました。
 
それは、「子供達の予想外の行動を見ることができるから」です。
 

大人が思いつかないような事を自然とする子供の一挙手一投足は、自分にとって刺激的なものでした。

しかし、それは「大人が型にハマってつまらなく」て「子供は自由で面白い」ということではありません。
 
子供達の突飛な行動は、子供の発想が自由だから起こるのでしょうか?
本記事では、子供の発想と突飛な行動について自分なりの考えをまとめてみました。

子供らしさとは!?「子供らしい自由な発想」は大人の押し付け!?

いきなり結論ですが、

子供は発想が自由なのではなく、その行動が突飛なものだとわからないでやっているだけだと自分は思います。

自分は、子供が「わからずにやっている突飛な行為そのもの」が面白いと思っています。

「おお、そこをそうやるか」「この次どうするつもりなんだろう」などが面白い。
 
しかし、それは子供なりに一生懸命考えてやった行動だったりします。
突飛な行動として表れてしまうのは、「やってはおかしい理由」「やっては困る理由」がわからないだけなんだと思います。
 
つまり、その突飛な行動は自由なのではなく、知らないだけ。
 
大人はそれを勝手に「子供の自由な発想」と言いますが、僕はちょっと違うと感じています。
いろいろな物事に詳しい子供は「子供らしくない」とか「大人びている」とか言われますが、これは「子供=物事を知らないはず」という大人の勝手な思い込みであって、子供らしさを求め、子供には「自由な発想」を期待します。
 

そこを間違えていると、もしかすると子供が絵を嫌いになってしまうかもしれないと思っています。

 

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実際にワークショップであった出来事を例にご説明します。

キャンドル絵付けのワークショップの時、講師側がパレットに絵の具を出すのですが、子供たちは絵の具をパレットで混ぜず絵付けをするキャンドルで直接混ぜ始めます。
 
案の定、キャンドルは真っ黒くなり「ちがーーーう!やり直したいー!ぎゃー」と泣き出す子が居ました。

子供にはどのようにして絵を教えるべきか!?絵が嫌いにならないように気を付けるべきこと

絵の具はパレットで混ぜるもの、でも子供は色を混ぜすぎると黒になることを知らず、さらには直接キャンドルの上で混ぜるという行為に及びますが、それは子供が知らなかっただけで望んだものではないはずです。

行動自体は突飛で、一見自由な発想に思えますが、これを「子供らしい発想でいいことだ」と考えると、子供の本当に自由な発想というのは育っていかないと思います。

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「知らずにやった結果は、自由な発想によって生まれたわけではない!」
という事ですね。

イラストレーターの寺田克也氏は、著書「絵を描いて生きていく方法?」の中で、
 
"子供は、もともと突飛を狙ってやっているわけではなくて、突飛にならざるを得ない知識でやっているわけだから「子供の自由な発想に任せましょう」とやっていると、往々にしてそれ一回しか出てこなかったりする"
 
"教育者の立場の方は、自由に描くためにはどう考えたらいいかを教えてあげるべき"

"子供は選びようがなくてやっていて、それは自由がない中での面白さ。そこら辺を混同してはいけない"
 
と著書の中で言っており、全くの同感です。
 
この場合、大人が色を混ぜてあげるのは違いますが、色混ぜると黒になることは教えてあげるべきだと思います。このワークショップでは、それを含めて体験できたことは良かったですが、子供はちゃんと学べたのでしょうか? 自分の納得のいく結果が得られず、「自分は絵を描くのがへたくそだ!」「自分に絵の才能がない!」と思ってしまっては、絵を嫌いになってしまうかもしれません。
 
子供と触れ合ってみて良かったのは、
「あぁ、これを言わないとこうなることがわからないんだ」
ということがたくさん見れた事です。

先ほど同様、寺田克也氏の著書の中ではこうも言っていました。
 
"絵にお手本があって真似してもいい。文字(習字の模写)が良くて絵がダメなことはない"
 
”「今日は桜を描きましょう」っていうときは、先生にしてほしいのは「桜がどういうものかを生徒に教えること」。地面があって、根っこがあって、幹があって枝ができて、その先につぼみがあって、という構造を教える。いきなり写生しろって言われてもできるわけがない。そういう非常に乱暴なことを子供のころにやってしまうから、描きようがわからないまま絵が苦手になっていく"

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絵具の使い方、物の構造を教えずに「はい、自由に描いて」というのは、子供の「できない感」を増長させてしまいかねないという事だそうです。
 

子供のアートの感性を伸ばすために親が気を付けることは!?

ワークショップを通して思ったのは、お子さんも様々なら親御さんも様々で、放任主義の人もいれば、「ここは青がいいんじゃない?」と、一から一まで色を指定する人もいました。結構たくさん。
そういう色々な親子の関係性を見ることができたのも、凄くいい経験でした。

では、どのように接すれば子供のアートの感性を伸ばしてあげることができるのでしょうか?

ワークショップの最中、1人のお母さんから「子供のアートの感性を伸ばすにはどうしたらいいですか?」とご質問を受けました。
 
自分はワークショップ講師としてその場にいましたが、自分自身なにかアートの資格を持ってるわけでも専門教育を受けたわけでは無いので、お答えするのもおこがましかったのですが、
 
「是非お子さんが作ったり描いたりした物に対して、具体的に褒めてあげてください」
 
とお答えしました。

これはあくまで僕個人の意見ですが、色々な方の意見を聞いて自分の中でベースとなっている考え方です。

一緒に絵をかいたりする機会がある場合は、スタート地点と着地点があるとすれば、その途中で躓きそうなポイントは先にある程度伝えておくといいかもしれません。

お子さんが、ある程度の選択肢を与えられ、自分で考えた上で本当に「自由」に創作できていることがまずは大事だと思っています。

そして、お子さんが作ったり描いたりしたものについては、「どこがどうしてどのようにいいのか」と具体的にほめてあげることです。

お子さんが意図して選んだ色だったり、こだわって描いたものだったりした場合に、そこに気づいて指摘してあげることができれば、子供は自分で考えていいと思うものを自ら選択して考えて描くようになると思います。

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最後になりますが、
ここまで書いたことはほぼ自分の考えによるものが多く、必ずしもお子さんが有名なイラストレーターや絵描きさんになるための方法論ではありません。
しかし、自分の周りのアートにかかわる友人たちの話を聞くと、幼少期の学校での絵の時間に自分が言われて嫌だったこと、嬉しかったことなども参考に書いたので、自分は自信をもって自分の子供にそう接してあげようと決めています。

創作活動に携わるものとして、子供の創作教育に関して思うことを書きましたが、何かの参考にしていただければ幸いです。

<本文中でご紹介した寺田克也氏の本(お勧めです)>